現在の仕事内容について教えてください。
マーケティング部の仕事は主に2つあります。1つ目は営業と連携してクライアントの課題を引き出すこと。2つ目は課題解決策を提示し、当社としてどのような価値を生み出せるのかを考えることです。クライアントの業種業態は多様で課題もさまざまなので、すべての仕事が新しいものです。ルーティーンワークはほとんどない代わりに、日々新たなことに挑める醍醐味があります。
仕事自体が新しいものなので、先輩が教えられることも限られてきます。したがって、誰も知らないことを自ら切り拓いていく姿勢が大切です。そこに年次は関係なく、自分がつくり出した仕事であれば、新人であってもその人がリーダーとして引っ張っていくことが求められるでしょう。
仕事を通じて成長できるチャンスはありますか。
チャンスは無数にあります。私自身に関して言えば、20代のころはビジネスの基本が身についていないと感じたので、経営学やマーケティング、財務、会計の基本をビジネススクールに通って学びました。PRのスキルが必要とされる業務に就く際には、教育講座を展開する宣伝会議で広報にまつわる講座を約半年にわたり受講させてもらいました。また、育児休業中には知的財産について資格を取得したり、最近はWebサイトのアクセス解析について学んだりしています。
その他ブランディングや周年企画など、その時々の仕事内容に応じて会社からの補助を受けながら多くの講座を受講していますし、書籍の購入支援もあります。社内には大学院に通う人も複数います。学びたい人の意欲に応える制度が充実している環境ですが、逆に学び続けなければならない環境だとも言えます。
いままでで一番印象的なお仕事を教えてください。
宮城県・亘理町で実施したギネスチャレンジです。もともとは、「もういっこ」という宮城のイチゴを東京で広めるためサンプリングをしたいというご相談でした。ただ、仮に渋谷でイチゴを配ったとしても、そこで接する人の数は限定的です。それならなにかイベントをして、それをテレビなどで報道してもらい、より多くの人にPRしようと「イチゴ狩り日本一」のギネスチャレンジを提案しました。
結果は、広告換算で数千万の成果となり、ギネスの公式サイトでも事例として紹介されるなど、亘理町をはじめ関係者のみなさまに大変よろこんでいただくことができました。
亘理町は東北一のイチゴ産地でしたが、東日本大震災の津波で9割が水に浸かるなど甚大な被害を受けました。そのような状況を踏まえ、塩害にも対応するためハウスの水耕栽培で復興を成し遂げたという経緯があります。そんな中で、町を挙げたチャレンジが成功したことがうれしかったですし、PRにとどまらず人々の心に残る何かを生み出せたことがとても印象に残っています。
学生のみなさんへメッセージをお願いします。
広告業界を含めて社会は大きく変革しており、今日の仕事が明日もあるかどうかわかりません。だからこそ、自ら仕事をつくり出せる人が必要です。また、当社の規模を鑑みて、組織の一部というよりは、自らリーダーとしてプロジェクトの中心となって仕事に取り組みたい人には向いている会社です。きっと仕事を通じて自分自身を磨き続けることができると思います。
また、暮らしの中での気づきや感覚が企画に結びつくことがあるので、広告の仕事をする上では、感性を閉じることなく研ぎ澄ませながら生活することも大切です。私には小学生の子どもも2人いて多忙な日々に流されがちですが、休日もできるだけ新しい場所に出かけるなど、楽しみながらアイデアの源泉を絶やさないようにしたいといつも考えています。