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レポート

講談社×集英社が登壇 マスナビ越境フェスVol.1〈イベントレポート〉

マスナビ編集部

講談社×集英社が登壇 マスナビ越境フェスVol.1〈イベントレポート〉

業界や領域を超えて活躍している人たちが一同に介する「マスナビ越境フェス」。2021年7月に開催した「マスナビ越境フェスvol.1」のレポートをお届けします。マスナビ越境フェスvol.1では「電通×MOUSOU」「朝日新聞社×GO」「講談社×集英社」の3組のクロストークが実現。広告・新聞・出版と各業界のトップランナーの皆さんが、業界の垣根を超えた取り組みについてお話しいただきました。本レポートではその中から「講談社×集英社」のクロストークをご紹介します。

出版社の新規事業

マスナビ越境フェスの最後のパートは講談社×集英社。講談社からは第四事業局クリエイターズラボ 部長の鈴木綾一さんが登壇。『週刊少年マガジン』編集部や『ヤングマガジン』編集部を経て、現在はマンガ投稿サイト「DAYS NEO」、講談社ゲームクリエイターズラボ、Kickstarterとのパートナーシップ事業の責任者を務めています。

集英社からは新規事業開発部プロデューサーの森通治さんが登場。新卒でApple Japanに入社し、企画営業職として企業や教育機関に提案活動を行っていました。その後、集英社に転職し、電子コミックを担当。現在は新規事業開発部にてゲームの企画・開発を進めています。

まずは集英社の森さんから現在取り組まれているゲーム事業について説明がありました。森さんが所属する新規事業開発部ではゲーム開発や映像制作など複数の事業が進んでおり、森さんはなかでもゲームの開発に携わっています。2021年4月に新サービス「集英社ゲームクリエイターズCAMP」をリリース。集英社がゲームクリエイターに投資してクリエイターのサポートをしています。またゲーム会社と協業し、新しい作品の制作も進めています。

一方、講談社の鈴木さんも、ゲームや映画、音楽など幅広いジャンルのクリエイターを支援する「講談社クリエイターズラボ」を主導しています。世界最大のクリエイター支援サービスKickstarterとパートナーシップを結び、日本のクリエイターを送り出し世界デビューをサポートするほか、マンガ家がマンガ編集者と出会えるマッチング型マンガ投稿サイト「DAYS NEO」の開発・運営、さらにインディーゲームクリエイターを支援するゲームクリエイターラボの推進など活動は多岐にわたっています。

なぜ出版社がゲーム?

なぜ出版社がゲームなのか、疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。そこには「編集者」という仕事が大きく関係をしています。編集者自身は小説やマンガを書くことはできませんが、小説やマンガについての幅広くアンテナを張り情報を集めることで、作家に寄り添い、時に解決の糸口を提示してきました。アウトプットの形は異なりますが、書籍もゲームも類似する部分があります。出版社が長年培ってきたクリエイターをサポートするノウハウが活かされます。

「ゲーム会社の場合は、システム開発が先行して、キャラクターやストーリーは後付けになるケースも多いみたいです。しかし編集者が介在することで、キャラクターとストーリーをどのように絡めていくのか、世界観をどのように広げるのか、そして伝えていくのか。そういった視点からゲームづくりをスタートできます。これが、出版社がゲーム制作に参入する強みです」と森さんは語ります。

また出版社がゲーム事業を手掛けるようになった背景にも言及がありました。従来エンタメや情報伝達の形式には限りがありましたが、デジタル化が進み、世の中に新しいコンテンツやサービスが次々と生まれています。この時代の流れを読み、出版社は出版事業に限らない新しい事業の柱を見つけるため、新規事業に積極的に乗り出しています。

といってもいきなり前例のない事業を手掛けるのは非常にリスキーです。そこで、これまでのノウハウやビジネスモデルを活かしながら、近しい業界に進出していく必要があると考え、出てきたのがゲーム業界でした。出版社の収益の一つであるマンガやそれに付随するアニメ化・実写化に事業領域として近いと言われているのが要因です。さらにゲーム業界は市場規模の拡大も見込まれていることから、新規参入しても成長の余地があると想定しています。



講談社の鈴木さんは、「今の出版社はマンガが収益の柱の一つですが、もともとは書籍だけだった。さらに少し前は電子書籍もなかったが、今では紙の書籍よりも電子書籍の売り上げが大きい。10~15年経てば、思いも寄らない領域がメインストリームになっている可能性があります」と出版社の歴史を振り返りながら新しいジャンルへの取り組む意義について話がありました。

そうなった時に出版社だからといって、書籍やマンガだけにこだわるのではなく、幅広いクリエイターに出会っておくことは重要だ、と考えているとのことでした。またゲームづくりが個人でも可能になるまで技術が発達してきたこと。さらにつくったゲームを個人でも販売するプラットフォームが整ってきたこと。これらも講談社がゲーム開発者を支援する事業に着手した理由のようです。

従来の出版事業の枠組みを超え、ゲームや映像など、総合コンテンツカンパニーへの進化を遂げつつある出版社。今後どのようなコンテンツが出版社から発信されるのか注目です。


マスナビ越境フェス vol.2 が2021年12月16日に開催!
今回の登壇企業は小学館・東宝・読売テレビ!
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