広告業界に興味を持ったきっかけを教えてください。
観光業に興味があり、将来は人を喜ばせる仕事がしたいと考えホテルマンになりたいと思っていました。そのため大学ではツーリズム産業論に関する授業を選択していました。広告業界を知ったのは、授業のなかで総合広告会社の方が登壇されることがあったためです。その方の授業をきっかけに、広告業界のイメージが変わりました。授業を受けるまでは、テレビCMを制作する、駅の広告をつくるなど、クリエイティブ色が強い業界だと思い込んでいましたが、イベントの企画や運営にも携わることを知って、仕事内容の幅広さを感じました。
就職活動はどのように進めましたか?
前述したようにホテルマンを目指しており、早期選考で高級ホテルを運営する会社から内定をもらいました。しかし大学3年生の冬頃、友人と就職活動の話をしたことをきっかけに、一度立ち止まって自分を見つめ直しました。ホテルマンは「自分が接する相手に喜びを与えたい」と考えて志望していました。ただ、ホテルでのコミュニケーションは1対1。もっと多くの人に喜びを与える仕事がしたいと考えるようになりました。そこでツーリズムの授業を思い出し、広告業界であれば多くの人に影響を与える仕事ができるのではないかと考え、志望業界を変更しました。
企業を選ぶ際は、まずは観光業と広告業をドッキングさせたような、交通広告に強い総合広告会社に注目しました。駅ナカの広告であれば、人の喜ぶ顔を直接見ることができると考えたからです。そこで屋外広告や交通広告に古くから強みを持つオリコムに出会い、インターンシップに参加しました。
ほかにも複数の企業を調べていましたが、オリコムを選んだ理由はインターンで感じた社員の人柄です。印象に残っているのはアドバイスの仕方。「こうした方がいいよ!」ではなくて「この方法についてどう思う?」という風に声をかけてもらえて、普段から双方向のコミュニケーションを大切にしているのだろうと感じ取れました。入社後も若手の意見を大切にしてくれるイメージが湧きました。
その印象は今も変わらず。役職や世代を超えて、フランクに意見を交わす環境が整っています。大ベテランの先輩社員が若手の話をしっかり聞く姿勢でディスカッションをしてくださるので、Z世代だからこそ思いつくアイデアも物怖じせずに発言できます。
現在の仕事内容について教えてください。
入社1年目から4年目になる現在まで、営業を担当しています。仕事の流れを説明しますと、まずはクライアントの抱える課題や希望を担当者にヒアリングすることからはじまります。詳細に内容を伺えたら、一度社内に持ち帰り、スタッフと協力をしてソリューションをまとめます。そしてでき上がった企画書をクライアントに提案して、ご依頼が決定したら制作の手配へ。最終的に制作物が掲出されるまでの責任を持ち、進行します。ただし、この流れは案件によって左右されるので、一日のスケジュールが同じ日はありません。営業は会社の顔としてクライアントと接しながら、関係各所のスタッフともコミュニケーションをとる必要があります。
クライアントの幅も、クライアントから依頼される仕事の幅も本当に広いです。私はエネルギー系の大手メーカーから化学メーカー、動画配信サービス会社、クレジットカード会社などさまざまなジャンルのクライアントを担当しています。いままで触れる機会が少なかった業界についても詳しく知ることができ、日々勉強になることばかりです。
また先日は印刷されたポスターの色合いを確認するために、実物の商品を新橋のコンビニを巡って準備したことがありました。こうした予期せぬ業務も少なくありませんが、同じことをする日がないので、毎日新鮮に仕事と向き合えますね。
仕事において喜びを感じる瞬間はありますか?
クライアントから発注を受けたときはもちろんうれしいのですが、特にデジタル広告については情報が日々アップデートしており、複雑で難しい内容をクライアントに説明した際に「わかりやすいね」「すごく理解が進みました」と言ってもらえる瞬間もうれしいですね。相手方の知識量を推しはかり、業界用語を別の言葉に置き換えたり簡単な図解を用いたり、同じ目線で話を進められるように心がけています。
印象に残っている案件はありますか?
大手動画配信サービス会社の案件で、ドラマの交通広告を担当したことです。企画から制作、媒体社とのやりとりまで、すべて私が主導しました。
提案したのは、ポスターの一部を自由に剥がして持ち帰ることができる「ピールオフ広告」。クライアントとの雑談で「擦ったら香りが出る紙」の話題が出たことをきっかけに、ドラマの内容と連動させた香りを楽しむことができる広告を考えました。関係各所への確認と調整が大変でしたが、主演俳優のファンをはじめとする駅を訪れた人々からの反響が凄まじく、やりがいを感じました。
実はこのクライアントはもともと交通広告には前向きではなかったのですが、他社の動向や市場調査の結果を毎週のように担当者に送り続けていました。ドラマのプロモーションに合わせてこの企画を提案したところ、ようやく受注に至ったこともあり印象に残っています。
最後に学生のみなさんへメッセージをお願いします。
将来のことについて悩むのは当たり前です。私も就職活動の途中で、業界を変えましたしね。確かなことは自分の興味のある分野や面白そうだと感じた会社に進むのが、一番だということ。最初はどんな職業でも、理想と現実のギャップを感じて悩むことがあるかもしれませんが、その後の自分次第で選んだ道を正解にすることができます。ぜひ、心が躍る方に進んでみてください。