どのような学生時代を過ごしていたか?
大学では建築を専攻し、街の空間設計を研究していました。「場の価値を高める」ことに興味があり、学生ボランティアとして街中の公園のリブランディングプロジェクトに参加しました。そのプロジェクトでは、市民が活用しやすいように芝生を敷き、「この公園で読んでほしい」と市民が寄付してくださった本を提供するために、アウトドアライブラリーとしてカフェを設置し、その管理・運営を行っていました。その他には、歴史ガイドツアーの活動も行っていました。
また、大学が派遣する学生ボランティアにも定期的に参加していて、その活動のなかで、岩手に3カ月に一度訪問していました。仮設住宅に住む方にとって、新しい環境のなかで周りの人との関係づくりが必要という課題がありました。そこで、第三者の立場から交流の場をつくる施策に取り組みました。この活動も、「場の価値を高める」ということにつながっています。
入社したきっかけは?
建築学科の学部生は大体が大学院に進学するような環境でしたが、私は大学院で勉強を続けるより、好きな仕事ができるなら就職してみようと思いました。まずは建築設計事務所のインターンシップに参加しましたが、徹夜で図面を作成して模型をつくって…という暮らしが想像できず、今後のキャリアを考えても違うなと感じました。
つぎに広告・PR会社に目を向けました。広告業界ではじめにイメージするのはCMづくりですが、まちづくりの活動もできるという話を友人から聞き、興味を持ちました。建築という面からではなく、コミュニケーションを起点にまちづくりに貢献したいと思ったのです。
電通デジタルに出会ったのは大学3年の12月の会社説明会。説明会で事例の紹介があり、「人との関係性をつくり、場の価値を高める」面では、これまでの活動も広告コミュニケーションも一緒だと改めて感じました。その後の面接でも「デジタルを使って良い未来を考えてください」「商品のパッケージデザインを考えてください」などの質問があり、身近な商品に関わるイメージが湧きました。
ほかの広告会社からも内定をいただいていましたが、会社ができて日が浅くこれからぐっと盛り上がっていきそうな雰囲気や、若手でも活躍できそうだと感じたことが入社の決め手でした。
現在の仕事内容は?
クリエイティブプランナー、コピーライターとして、営業やストラテジックプランナーと一緒に企画から演出まで考えています。
ペイドメディア、つまりデジタル広告の企画・運用だけでなく、最近はクライアントが持つオウンドメディア、例えばX(現Twitter)の「中の人」の企画・運用にも携わるようになりました。また、海外映画やドラマの日本版をどう展開するのがよいか、キャッチコピーやキャスト発表のタイミングなどを考える仕事もしています。課題解決のために、クライアントと自分の間にある答えを探し、そして見つけた答えが機能したときに、とてもやりがいを感じます。
クライアントにとっては、デジタル広告は重要なコンタクトポイントの一つです。店舗の接客のように丁寧に対応するべきです。人間らしさや相手を思いやる気持ちを失わず、かつ効率もいいデジタルクリエイティブをつくる。難しいですが、挑戦していかなければデジタル広告の価値は向上しません。デジタルネイティブ世代として、今後は受け手側の視点からメッセージを開発していくこともしていきたいと思います。
学生のみなさんへメッセージ
就職活動は人生の大事なタイミングです。ですが、就活を最優先事項としてこの時期を過ごすのは、おすすめではありません。そればかりになってしまうと、就活のために自分をつくりこんでしまう可能性があるからです。自分自身の経験から、素の自分を保てば結果として就活もうまくいくと思っているので、周りの友達や家族と過ごす延長線上で就活というイベントをこなす、くらいの気持ちで臨んだ方がいいのではと思います。学生も企業を選ぶ側です。リラックスして、本当に自分に合う企業かどうかを判断することが大事だと思います。