最新技術を使いこなしアイデアを形にしていつでも使えるように準備しておく/電通クリエーティブテクノロジスト 中山桃歌さん

最新技術を使いこなしアイデアを形にしていつでも使えるように準備しておく/電通クリエーティブテクノロジスト 中山桃歌さん

広告・マスコミ業界において、デジタル・テクノロジー人材はますます重要な存在となっています。数学も物理学も化学も生物学も、はたまた機械工学も電気通信工学も情報工学も、学士・修士・博士課程で研究を重ねてきた人材が広告・マスコミ業界に就職し、新たな領域を切り開いています。ものづくりメーカーにはないダイナミズムを味わうことができるのも、この業界の醍醐味。自身の研究をベースに、社会に大きなインパクトを与えることも夢ではありません。

毎年就活生から好評の書籍『広告界就職ガイド』。2024年版では、理系の注目職種をまとめた記事も多数掲載しています。そのなかから電通のクリエーティブテクノロジスト 中山桃歌さんのお話しをご紹介いたします。(以下、『広告界就職ガイド2024』(宣伝会議)より一部を転載)

写真:中山桃歌さん
中山桃歌さん株式会社電通 CXクリエーティブ・センター クリエーティブテクノロジスト
2017年電通入社。学生時代から人が生き物と感じる動きは何かを研究。ロボティクスを制作し発表。SXSW/CESでの出展経験を活かし、インタラクティブミュージアムのコンセプトメーキングからデジタルプランニング、UI/UXデザイン、空間デザインなどを行う。 日常に潜むワクワクする体験をすくいあげ、精緻化し、新しい体験へと昇華させたい。
【 目次 】
スケールの大きな世界に憧れ ロボット開発から広告業界へ
クリエイティブテクノロジストとは 「テクノロジー×アイデア」を実装する人
中山桃歌さんのお仕事やスケジュールを掲載
中山桃歌さんが登壇するセミナーを開催!

スケールの大きな世界に憧れ ロボット開発から広告業界へ

大学ではロボット開発をしていました。ところが周りの人たちは小学生のときからロボットをつくっているような人ばかり。大学3年から始めた自分は、彼らと戦っていけるのだろうかと不安になりました。自分が彼らに負けないところは何だろうと考えたとき、“おしゃれ”だと思ったのです。それでデザインとロボットを掛け合わせたことをやろう、技術を技術と思わせずに楽しく使えるものを目指そうと決めました

最初は、電機メーカーや玩具メーカーへの就職を視野に入れていました。そんな私が広告会社を知ったのは大学院のとき。他の研究室の先輩から実験の手伝いを頼まれたのですが、その先輩は電通の社員で、働きながら博士号の取得を目指していたのです。ちょうどそのタイミングで、電通の夏期インターンシップを受けるという友人がいました。それでどういう会社なのか調べてみたのです。するとテクノロジーとアイデアで世の中がワクワクする仕掛けを考えるインターン「アイデアの学校」があることを知り、「あ、自分の目指していることかもしれない!」と思い、自分も受けることにしました。

参加してみると、「花屋が売れるためのアイデア」などのお題が出されました。それまで
社会課題の解決のために技術の使い方を考えるということをしたことがなかったので、とても新鮮でした。花の成長過程を記録するタイムラプス動画を撮影できる植木鉢という新しいプロダクトの提案してみたら高評価で、こういう会社もあるのかとさらに興味を持ちました。

博士号への進学も考えていました。でも広告会社へ就職を決意したのは、スケールの大きさです。電通のクリエイティブテクノロジストの方々が手掛けた作品を知り、こんな仕事もできるのかと憧れが芽生えたからです。

クリエイティブテクノロジストとは 「テクノロジー×アイデア」を実装する人

クリエイティブテクノロジストって何ですかとよく聞かれます。説明していると、「デジタルに強いプランナーなんだね」と言われることが多いです。でも、もっと範囲は広くて、企業のデータをビジュアライゼーションする人、AIを用いて新しい表現をする人、私のようにハードウェアの技術でロボットをつくる人と多種多様です。総じてクリエイティブテクノロジストは常に新しい技術を知っていて、さらにそれを使いこなせる人たちです。メタバースやNFTなどの新しい技術を知っている人はたくさんいるでしょう。しかし、NFTアートをマーケットプレイスに出したことがありますかと尋ねると、ぐっと少なくなります。

クリエイティブテクノロジストには、こういう新しい技術を使えるようにしておくことが求められます。というのも、クライアントが毎回テクノロジーを求めるわけではなく、こちらから提案することが多いからです。新しい技術を知ったら、それを使ってどのようなことができるのかを考え、アイデアを思いついたら自分でプロトタイプをつくっておきます。そしてそのアイデアが活かせるタイミング(クライアント)が来たときにこちらから提案をする。ほかのクリエイターと違って、自主的に提案する機会が多いのも特徴かもしれません。

中山桃歌さんのお仕事やスケジュールを掲載

2022年12月28日発刊の『広告界就職ガイド2024』(宣伝会議発行/マスナビBOOKS編集部協力)には、電通クリエーティブテクノロジストの中山桃歌さんが最近手掛けた仕事や意外な仕事、1日のスケジュールなどをご紹介しています。書籍詳細はこちらから

中山桃歌さんが登壇するセミナーを開催!

2022年12月27日(火)に行われる「マスナビ理系就活フェス」では、博報堂の三浦慎平さんとの対談形式で、理系学生がどのように広告業界で活躍できるか、実際にどのような場面でお二方が活躍されてきたのかを伺っていきます。質疑応答のお時間もございますので、少しでも気になった理系の方はぜひご参加ください! イベント詳細はこちらから

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