作品の面白さは撮影前に決まる/ディレクター 池田萌さん〈広告業界のプロ図鑑〉

作品の面白さは撮影前に決まる/ディレクター 池田萌さん〈広告業界のプロ図鑑〉

ビジネスプロデューサー(営業)、マーケター、コピーライター、アートディレクター、プランナー…と広告業界にはさまざまなプロフェッショナルな職種が存在します。「カタカナの職種が多くて、なにをやっているかわからない」「その職種がどんなキャリアを歩むのか見通せない」と悩んでしまう就活生も多いはず。今回は各職種につく先輩たちに「●●職の仕事とは?」について解説いただきました。初回は映像制作会社・太陽企画で働くディレクターの池田萌さんに語っていただきます。池田さんが考えるディレクターとは?(以下、『広告界就職ガイド2023』(宣伝会議)より一部を転載)

写真:池田萌さん
池田萌さん太陽企画 ディレクター
2015年太陽企画入社。2018年JAC AWARDディレクター部門でベストリマーカブル・ディレクター・オブ・ザ・イヤー(グランプリ)受賞。小さなお話が好きな傾向にあります。

※肩書などは『広告界就職ガイド2023』発刊時のものです
【 目次 】
作品の面白さは撮影前に決まる
広告界就職ガイド2023ではディレクターの具体的な仕事がわかる
最新刊の広告界就職ガイド2024も好評発売中

作品の面白さは撮影前に決まる

ディレクターの仕事は、撮影の前・中・後の3つの段階に分けることができます。

まず撮影前は、プランナーから頂いた企画を基
に演出コンテをつくります。企画の段階から一緒に参加することもあります。最初に頂く企画書は、簡単なコマ割りがある絵コンテや文字のみの字コンテなど、形式はさまざまです。これをどのように魅せるか、ブラッシュアップした演出コンテに昇華させていきます。演出コンテができたら、美術やカメラマン、スタイリスト、音楽などの制作スタッフを決めます。スタッフたちとより具体的に演出の打ち合わせを行い、撮影準備を進めていきます。

撮影中は、監督として現場をまとめる役割を担
います。視聴者の視点も意識しながら冷静に俯瞰して見て、各スタッフに指示を出していきます。ときには諸事情を無視して、すっとぼけたふりをして要望を出すことも(笑)。

撮影後は、つなぎを決める仮編集を行います。
その後、カメラマンやカラリストと色味の調整をします。最後に絵のクオリティーをもう一段階上げるための本編集を行って、作品が完成します。

ディレクターは撮影監督のイメージが強いと思
いますが、力を発揮すべき場面は、撮影前の企画の部分だと私は思います。企画を理解する力、企画のどこが面白いのか、どのポイントを伸ばしていけばいいかを適切に見抜く力です。それを考え抜くことがディレクターの面白さでもあります。

広告界就職ガイド2023ではディレクターの具体的な仕事がわかる

『広告界就職ガイド2023』(2022年1月13日発刊)には、「ディレクターとは?」について解説いただいた池田萌さんが携わった映像制作の事例などを掲載しています。企画を考えるCMプランナーとどう共創していくのか、具体例をもとに解説しています。書籍詳細はこちらから

最新刊の広告界就職ガイド2024も好評発売中

2022年12月28日発刊の最新刊『広告界就職ガイド2024』(宣伝会議発行/マスナビBOOKS編集部協力)も好評発売中。東北新社のCMディレクターなどのお仕事を紹介しています。書籍詳細はこちらから

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