広告業界や広告、コミュニケーションについて感じていること/アイレップ 洞口由宇さん〈Fresh Eye〉

広告業界や広告、コミュニケーションについて感じていること/アイレップ 洞口由宇さん〈Fresh Eye〉

広告業界や広告・コミュニケーションについて、広告会社で働く若手の皆さんはどのように感じているのか? 広告会社に入って感じたこと、日々の仕事で思うこと、これからの想いなど。実際に現場で働いている先輩方の新鮮な視点をお届けする「Fresh Eye」。

今回はアイレップ 洞口由宇さんの視点をご紹介。広告は広く告げるもの。しかし誰でも広く知らしめることのできる時代に、広告の意義、広告業界の価値について改めて考えます。(以下、JAAA REPORTS「Fresh Eye」より転載)

写真:洞口由宇さん
洞口由宇さん株式会社アイレップ 第2クリエイティブUnit プランナー/クリエイティブアナリスト
【 目次 】
広告業界や広告、コミュニケーションについて感じていること
JAAA REPORTS「Fresh Eye」

広告業界や広告、コミュニケーションについて感じていること

「広告業界」という価値は残り続けるか、考えてみる。

「広告」とは「広く告げる」こと。
広告会社とは、誰かに何かを伝えるときに手助けできる人の集団。
ひと昔前まではこの集団に依頼しなければ世の中へ広く告げることはできませんでした。
でも今は誰でもデジタル広告を駆使すれば広く発信することができます。例えば無名のアーティストが、自分で動画をつくって自分でデジタル広告を出稿して、広く告げることもできる素晴らしい社会になりました。極論、広告業界・広告会社がいなくても伝えられる時代です。

それでも尚、広告業界が提供できるものはなにか。
単刀直入に言えば「情報をただ右から左へ伝える」のではなく、「今よりも良い未来を思い描き、人に期待を持ってもらえる情報に整えて伝え、伝わる」ことだと思っています。

「伝えること」と「伝わること」は違います。
誰でも広く告げられる代わりに、求められていない情報は1秒でスキップ・スワイプされる時代です。伝えても、伝わらなければ、広く告げられているとは言えません。期待してもらえる情報へ整えるのには知識と技術が必要です。

大事なお金をお預かりして、食品・金融・教育・エンタメ・IT・インフラ・政治、あらゆる事業の代弁者となって、そのサービス・プロダクトが暮らしを豊かにしてくれることを人に届けられること。その先で、今よりも良い未来に導くことができること。それが広告業界が提供できる価値なのではないでしょうか。

最初の問いに戻ります。「広告業界」という価値は残り続けるのか。
生活者発想で人の望みを解明し、その時代における伝わる手段を発明し、今よりも豊かな暮らしへ導くことができる限りは、社会から求められ続ける業界なのではないかと思っていますし、僕はそう信じています。

JAAA REPORTS「Fresh Eye」


広告会社が集まり、広告を考え、広告を育てるために生まれたJAAA(日本広告業協会)。1950年の発足以来、日本の広告業界を代表する組織です。同協会が、協会の活動や研究内容を共有する機関誌『JAAA REPORTS』では、若手の業界人が日々感じていることを綴るコラム「Fresh Eye」を連載中です。

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