若手にチャンスあり！ 面白いアイデアが求められる／BBDO J WEST 村上るり子さん〈地域で活躍するクリエイター〉

肩書きを超えて、なんでも試す

──現在、どんな仕事をしていますか？

CMやポスターを中心に、企業や自治体の課題を解決するための企画やコピーを考え、制作スタッフの方と協力して広告制作を行っています。時にはCMのイラストを担当するなど、肩書きを超えて、できることはやる！ というスタンスで取り組んでいます。必要であれば商品を開発したり、新しいサービスを考えたり、既存の方法に捉われずに課題解決をできることが目標です。

──広告業界を知ったきっかけは何ですか？

就活時、とある広告会社の説明会でクリエイティブの方が楽しそうに自分の仕事を話していたのを見て、惹かれたのを覚えています。後日そのクリエイティブの方とお話をする機会をいただき、「コピーライター養成講座」というものがあると教えてもらいました。何も知らない大学生の私は「怪しいやつ…？」と疑いつつも受講を決め、そこで広告の面白さに心をつかまれていきました。

──活躍するためにスキルは何だと思いますか？

諦めないこと。この仕事はアーティストと違って、クライアントワークなので、制約が出てきます。時間、予算も限りがあります。忙しくなれば楽な方に流されたくなります。それでも諦めずにどうしたら面白いものがつくれるか、企画を提案する直前まで、完成する直前まで粘って考える。尊敬するクリエイティブの先輩たちのそういった姿を見てきました。自戒を込めてこのスキルはとっても大事だと思います。

──学生時代にやっておくとよいことは？

公募に応募すること。学生でも参加できる広告賞のコンペがたくさん開催されています。自分の考えたものを形にするのは広告の仕事そのものなので、挑戦してみると良い経験になると思います。また、つくることで自分の好きなものがわかってきます。完成したものを誰かと比べることで人と自分の違いを知ることができます。

──就活生へアドバイスをお願いします。

就活で心が折れそうなあなたへ。未経験者のコピーライター枠はとても少ないと思います。希望する会社に入れなくても大丈夫。入りたい会社があれば働く人に会いに行けば良い、アピールできるものがなければ、自主制作を始めれば良い。特別な才能はなくても、諦めない能力があれば状況は少しずつ変えることはできるはずです。これは今、コピーライターを目指して頑張っている就活生の皆さんへのアドバイスでもあり、昔、コピーライターになりたくてなりたくて仕方なかった自分へのアドバイスでもあります。

──東京以外で働くことの醍醐味について教えてください。

九州は予算が潤沢にある仕事が多くないため、少人数体制で案件を進めることが多いです。なので、東京の広告会社に比べると若手がバッターボックスに立てる、チャンスが多い環境だと思います。また、低予算だからこそアイデアで目立ってやろうという志の高い広告制作者たちが周りに多いためそういった企画を求められます。制作者としての志も鍛えられます…。

──これからどんな働き方をしたいですか？

私はコピーライターの仕事だけでなく、絵を描くことも好きで、ありがたいことにイラストの仕事も任せていただけています。肩書きは関係なく、つくり手としてもっと自分のできる領域を広げていきたいです。

──現在の肩書以外でご自身を表すとすると？

手を動かしてつくる人。コピーライターとして働いていますが絵の仕事など、自分で手を動かしてつくることも仕事にしていきたいです。こんなことを言っていると、まずはコピーライターとして一人前になれるように専念しろよって言われそうですが…。

アンパンマンを倒すためにいろんな発明をするバイキンマンのように、自分でつくってチャレンジする、うまくいかないことがあっても諦めずに試行錯誤する（彼はいつも失敗して終わっていますが）。このような精神で日々、取り組める制作者でありたいです。

各地で活躍するクリエイターのインタビューを掲載

2024年10月28日発刊の『広告界就職ガイド2026』（宣伝会議発行／マスナビBOOKS編集部協力）には、今回の村上さんをはじめ、各地で活躍するクリエイターのインタビューを収録しています。書籍詳細はこちらから。なお本記事〈地域で活躍するクリエイター〉は、『広告界就職ガイド2026』に紙面の都合上で掲載しきれなかったものを大幅加筆して転載しています。