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ハウスエージェンシーってどんな会社? 総合広告会社との違いも解説

マスナビ編集部

ハウスエージェンシーってどんな会社? 総合広告会社との違いも解説

近年、就活生に人気が高まっていると言われるハウスエージェンシー。「安定している」というのが主な理由としてあげられますが、なぜ安定しているのか、みなさんはご存知ですか?

その理由とともに、ハウスエージェンシーだからできること、気をつけるべきポイントなども詳しくご紹介します。ぜひ、ハウスエージェンシーについての知識を身につけて、自分に合っている企業を見極めるための手がかりにしてください。

ハウスエージェンシーとは?

 ハウスエージェンシーとは、特定の事業会社を広告主とし、専属で広告事業を行っている企業を指します。大手メーカーや鉄道会社、新聞社などを親会社に持つことが多く、親会社の宣伝活動をメインとなって行ったり、自社が保有する広告媒体を取り扱ったりしています。


ハウスエージェンシーの特徴は、まずなんといっても親会社の広告業務を数多く請け負う点です。専属であるが故に、親会社の商品やサービスの魅力、ビジョンを深く理解することができます。親会社としても「気心の知れた仲間」のような存在に業務を依頼することができる上、一般的に、他の広告会社に依頼をするより金額も抑えられます。


鉄道会社や新聞社が親会社の場合は、駅構内の広告掲載スペースや新聞の広告欄などを売る「媒体社」としての業務も担っています。広告の企画や制作に加え媒体の販売までできることは、ハウスエージェンシーならではの強みです。


また、ハウスエージェンシーでありながらも、親会社以外の企業からも案件を引き受けたり、他のメディアも含めた包括的なソリューションを提供したりと、総合広告会社と同じような業務を行っている企業もあります。

総合広告会社との大きな違いは?

 総合広告会社とハウスエージェンシーでは、大きく分けて2つの差があります。


●クライアント

総合広告会社は、さまざまな業界のクライアントと取り引きをします。ハウスエージェンシーは主に親会社の広告業務を請け負う会社ですから、扱う業界は限定されます。


●広告媒体

独立系の広告会社は、自社で広告枠を持つことはほぼありません。広告を掲載する媒体は、他社から購入する必要があります。反対に、鉄道会社や新聞社などを親会社にもつハウスエージェンシーは、自分たちのグループで電車内や広告欄という枠を持っており、他社から広告スペースを購入する必要はありません。また、広告掲載枠を販売すれば、自社グループの売上になります。 

ハウスエージェンシーに就職すると、どんな仕事ができるの?

 先述したように、ハウスエージェンシーはクライアントと深い関係にあります。サービスや商品について熟知しているため、クライアント、ハウスエージェンシー間で意思疎通がしやすくなります。細かなイメージなども伝わりやすいため、広告や企画の質も向上します。


また、ハウスエージェンシーの親会社は大企業であることが多く、安定的に案件を受注できます。企業としての安定性も高いものです。親会社と同じ就業時間に合わせている企業もあり、働きやすい環境であることが期待できます。

ハウスエージェンシーに入社を決める際に注意したいポイント

 ハウスエージェンシーは、親会社の広告事業を専属で請け負う会社のため、取引先が限定的です。したがって、幅広い業界のクライアントと仕事をしたい方は、物足りなく感じるかもしれません。


親会社の中には、テレビCMなどの大型キャンペーンは大手総合広告会社に発注する場合もあり、広告すべてをハウスエージェンシーに依頼しているとは言い切れない現状があります。「この広告に関わりたい」などといったこだわりがある方は、その広告がつくられるにあたって、ハウスエージェンシー以外にどのような企業が関わっているのか、調べてみることをおすすめします。

主要なハウスエージェンシー

 事業会社の子会社といえども、その売上高は総合広告会社に劣りません。日本の広告会社における売上高の上位20社のうち、11社がハウスエージェンシーです。親会社が持つ資源やリソースを活用し、広告業界全体から見ても大きな売上を誇っています。


その中で、代表的な企業を簡単にご紹介します。


●株式会社ジェイアール東日本企画

駅、電車、駅ビルや駅ナカ商業施設などJR東日本グループの壮大なコミュニケーションゾーンを活用し、従来の広告営業枠を超えた複合的なコミュニケーション活動を展開しています。


●株式会社東急エージェンシー

東急グループの広告会社でありながら、多様なクライアントを手掛けて成長を遂げた企業です。また、東急線交通や屋外広告の媒体社でもあり、新たなメディアの活用法の開発にも取り組んでいます。


●株式会社読売IS

読売グループの広告会社。新聞折込広告の実績で培ったエリアマーケティングのノウハウが最大の強みで、緻密なマーケティングリサーチと分析に基づいた実効性の高い提案をしています。


●株式会社朝日広告社

朝日新聞グループの中核広告会社です。業界でいち早くインターネット広告事業に取り組むなど、時代の流れに合わせたビジネスを行っています。データの分析などから得られる、裏付けのあるソリューションの提案が強みです。


●トヨタ・コニック・プロ株式会社

日本を代表するグローバル企業、トヨタ自動車のハウスエージェンシー。クルマ及びクルマ開発の商品やサービスについて、長年、情報とノウハウを蓄積しています。  


●株式会社ホンダコムテック

自動車メーカー・本田技研工業(Honda)のハウスエージェンシー。Hondaの自動車の魅力をより多くの人に広めるために、社会と同社をつなげる役割を担っています。


●株式会社アイプラネット

三菱電機のハウスエージェンシーです。家電の広告から人工衛星など宇宙技術のプロモーションまで、幅広い仕事を行います。また、総合広告会社として、マーケティングやメディアプランニングなどの機能を有する点も強みです。


●株式会社明治アドエージェンシー

明治グループのハウスエージェンシーです。明治グループの商品のプロモーションはもちろんのこと、さまざまなクライアントの案件に携わっています。

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