RESEARCH業界・職種を学ぶ 就活・自分を知る

レポート

【マスコミ徹底解剖】テレビ局のしごと

マスナビ編集部

【マスコミ徹底解剖】テレビ局のしごと

テレビ離れが叫ばれていますが、依然として就活生からの人気が高いテレビ局。テレビ番組の制作・放送だけしていると思いきや、そうではありません。近年は、コンテンツ制作力という強みを活かし、デジタルメディアに進出したり、都市開発を通して感動体験を提供したりするケースもあります。この記事では、テレビ局の動向と職種を徹底解剖。一緒に業界研究を進めていきましょう。

テレビ局とは

テレビ局とは、テレビ番組の制作・放送を行う会社のことを指します。放送する番組の内容を考え、番組制作を行い、指定の時間に放送をし、CMや番組スポンサーによって収益を上げています。制作はテレビ局の社員が担当するケースもありますが、多くが番組制作会社によって制作をされています。テレビ局が番組の骨子となる部分を考えて、それに基づいて番組制作会社が番組を制作しています。

テレビ局は公共放送であるNHKと民間放送局の2つに分けられます。また、民間放送局はその放送形態によって民放地上波と民間衛星放送があります。

民間放送のキー局と系列

民間放送は各テレビ局同士でネットワーク(系列)を形成しています。そのネットワークの中心となるのが「キー局」と呼ばれるテレビ局です。二番手には「準キー局」と呼ばれるテレビ局があります。この「キー局」が番組を制作し、それをネットワーク内のテレビ局に展開をすることで、全国で同じ番組を見ることができる全国放送が実現しています。「キー局」から番組を受け取る放送局を「ネット局」と呼びます。下記の表は系列とキー局、準キー局をまとめています。


中には系列に属さない、独立系のテレビ局もあります。東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)、テレビ神奈川(TVK)、京都放送(KBS)などがその例です。

テレビ局の職種

ここではテレビ局の主要な職種をご紹介します。

■営業
テレビ局の営業先は大きく2つに分かれます。一つは広告主や広告会社、もう一方は他放送局への番組の販売です。広告主や広告会社への営業はCM交渉や提案を行います。またCMだけではなく、企画やイベントなども提案をします。他放送局への営業としては、キー局で制作した番組をネット局に販売するケースや、ネット局以外へ販売をする場合もあります。

■編成
視聴率やスポンサーなどを踏まえて、テレビ番組全体の放送時間帯の決定や、番組内容の新規立案、変更、見直しなどを行います。出版社でいうところの編集、メーカーで言えば商品企画にあたるポジションです。バラエティー、スポーツ、ドラマ、報道、情報とさまざまなジャンルの番組がありますが、これらの番組を一から企画します。視聴率などのデータを基に分析するマーケティング的な部署でもあります。

■プロデューサー
テレビ番組制作における、企画進行を行います。外部の構成作家や脚本家などとの打ち合わせ、番組出演者への出演交渉、番組の宣伝、番組制作資金を集めるためのスポンサー企業への企画のプレゼンテーション、予算管理など番組制作の全責任を負う役割を持ちます。

■ディレクター
テレビ番組制作における、現場の責任者です。タレントなどの出演者や照明スタッフなどに対し、演出イメージに沿って指示を出していきます。時には演技指導を行うこともあります。また収録後には編集作業も行い、VTRのどの部分を使ったら面白い番組になるのか、構成などを考え、編集スタッフに指示を出します。

■アシスタントディレクター
テレビ番組制作において、ディレクターのアシスタントとして多岐にわたる業務を担当します。出演者のアポとり、
ロケ先のリサーチ・取材先との交渉、移動や宿泊の手配、ロケ弁当の手配、制作に必要な機材や物品の手配などあらゆる雑務を担当します。

■放送記者
放送記者の職種を「取材記者」と「編集記者(ニュースディレクター)」に分けているケースがあります。「取材記者」は現場に赴いて、取材や撮影などを行います。「編集記者」は取材記者が取材した内容をベースにニュースや報道番組でキャスターが読み上げる原稿を作成します。また取材記者のリーダー職は「キャップ」、編集記者のリーダー職は「デスク」と呼ばれます。スポーツ関連に携わるスポーツ記者がいる場合もあります。

■アナウンサー
テレビやラジオを通じて、視聴者へさまざまな情報を伝達します。報道番組だけではなく、情報番組、バラエティー番組、現場でのレポート、ドラマやドキュメンタリーのナレーションなど、活躍する場は多岐に渡ります。放送局によっては自身で取材や原稿作成を行うこともあります。

■技術職
カメラマンや照明、音響、CG、映像の送伝など番組運営を行う上で必要となる専門職です。

テレビ局の新しい動き

テレビ離れが叫ばれるなかで、テレビ局にも新しい動きが生まれています。2015年には民放公式テレビポータル「TVer」がリリースされ、スマートフォンからでもテレビ番組が視聴できるようになりました。また日本テレビによる「Hulu」の日本事業の買収や、テレビ朝日とサイバーエージェントの「AbemaTV」の共同設立など、デジタル化に対応する形でサービス展開を進めています。

また映像だけではない、新しい取り組みも始まっています。TBSでは「赤坂エンタテイメント・シティ計画」と呼ばれる、東京・赤坂の街づくりプロジェクトを推進しています。商業施設や劇場、ホテルといった施設を複合的に組み合わせて、赤坂に来た人が「ワクワクする街」をつくり出そうとしています。 
街づくりはリアルだけではなくバーチャルの空間でも行われています。テレビ東京では池袋の街をバーチャル空間で再現し、新しい体験を生み出す「池袋ミラーワールド」を実装。電通や大日本印刷などの大企業からスタートアップまで、さまざまな企業を巻き込みながら新しい経済圏をつくる取り組みを進めています。

おすすめコンテンツ

これまでのテレビ番組制作で培ってきたノウハウを新しい形でアウトプットしている、テレビ業界。いかがだったでしょうか。皆さんもぜひ気になる企業は調べてみてくださいね。また業界研究を進める上でおすすめコンテンツをご紹介します。  

■就活でどうしても会いたいテレビ人24人へのOBOG訪問
テレビ業界で働いているトップランナーにマスナビ編集部がOBOG訪問を実施。「箱根駅伝」や「サザエさん」、オリンピック番組をつくった人など勢揃い。テレビ業界に向いているかチェックできる性格診断テストもあり、自己分析にも役立つ一冊です。
書籍をマスナビ会員限定価格で購入する