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レポート

昨対112%成長の2023年の国内動画広告市場【サイバーエージェント調べ】

マスナビ編集部

ABEMAなどを運営する大手インターネット広告会社のサイバーエージェントは、デジタル領域に特化したリサーチ会社のデジタルインファクトと共同で、国内動画広告の市場調査を実施した。

2023年の動画広告市場規模は過去最高の6,253億円

2023年の動画広告市場規模は、昨年対比112%となる6,253億円と順調な成長を遂げた。スマートフォン向け動画広告需要は昨年対比109.7%の5,048億円にのぼり、動画広告需要全体の81%を占めている。コネクテッドテレビ向け動画広告需要は、昨年対比137.0%となる740億円と、市場全体をけん引する高い成長を遂げている。

広告主企業による動画フォーマットを活用したコミュニケーション需要が引き続き旺盛である。今後も高水準の成長を維持すれば、2024年の動画広告市場規模は7,209億円に達する予測だ。

コネクテッドテレビ動画広告と縦型動画広告が成長を牽引

インターネット広告市場全体では、世界的な原材料費の高騰、物価上昇などによる生活者の消費意識の変化が、大手広告企業の広告予算抑制などにつながっていた。一方で、動画広告は良質な動画コンテンツの増加や表現力豊かなクリエイティブの開発などによって、マーケティングプロモーション手法としての魅力が増し、広告主企業のテレビCM予算やインターネット広告の静止画バナー広告予算の流入が進む結果となった。

動画広告市場の成長要因としては、コネクテッドテレビ向け動画広告と縦型動画広告の需要増加が挙げられる。

TVerやABEMAなどの各種動画サービスを視聴可能なコネクテッドテレビの普及により、テレビデバイスにおける動画広告の配信先が広がり、動画広告を介した広告主と生活者の接点はますます広がっている。実際にコネクテッドテレビ向け動画広告需要は昨年対比137.0%となる740億円と、市場全体の成長をけん引する高い成長を遂げている。

また、TikTokやYou Tubeなどの大手SNSや動画配信サイトでは、縦型ショート動画コンテンツの視聴時間が急速に増加し世代を超えた支持を受けつつあり、生活者の消費行動にも影響を及ぼしている。これらを受けて、2023年の縦型動画広告の市場規模は昨年対比156.3%の526億円に達した。

国内動画広告市場の今後

コネクテッドテレビの普及により、今後の生活者にとって放送とインターネットのいずれかのこだわりはなくなり、両者の垣根はなくなりつつある。また、動画広告の配信先、広告媒体、広告フォーマットの多様化はますます進み、生活者の日常との接点は増える傾向にある。


広告主企業および広告事業者は、新しい技術を適切に取り入れながら、それぞれの生活者と場に適した広告表現によるコミュニケーションを続けることで、動画広告市場規模は2027年までに1兆228億円に達すると予測される。特に縦型動画広告需要は急増し、2027年には1,942億円の市場規模に達する見込みである。