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レポート

有望なグラフィックデザイナーを選出するJAGDA新人賞2024発表

マスナビ編集部

日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、年鑑『Graphic Design in Japan 2024』の出品者の中から選出されるJAGDA賞、JAGDA新人賞の結果を発表した。今年度は全国の会員から約2100作品が出品され、約580作品を入選とした。そのなかからJAGDA賞2024、JAGDA新人賞2024も決定された。

JAGDA新人賞2024

今後の活躍が期待される有望なグラフィックデザイナー(毎年10月31日時点で39歳以下のJAGDA正会員が対象)数名に授与しているJAGDA新人賞。今年度は対象者139名のなかから、岡崎真理子氏・坂本俊太氏・山口崇多氏の3名が選出された。受賞者のプロフィール・選出作品は以下の通り。

〈JAGDA新人賞2024 受賞者・受賞作品〉
岡崎真理子氏
慶應義塾大学卒業後、オランダ・アムステルダムのGerrit Rietveld Academie(ヘリット・リートフェルト・アカデミー)でグラフィックデザインを学ぶ。実務経験を経て2018年よりフリー、2022年REFLECTA(リフレクタ)設立。
受賞作品:アートイベントの総合デザイン「EASTEAST_TOKYO 2023」(イーストイースト)


坂本俊太氏
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、博報堂入社。現在hakuhodo DXD所属。
受賞作品:紙製品専門店のグッズ・ツール「SUPER PAPER MARKET」(福永紙工)


山口崇多氏

2016年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。10(テン)を経て2021年にcollé(コル)設立。
受賞作品:宿泊施設のブランディング「くろしお想」(フリーゲート白浜)

JAGDA賞2024

JAGDA賞は、各年を代表する優れたグラフィックデザインを表彰・記録していくことを目的とし、2008年よりポスターやロゴ、パッケージなどカテゴリーごとに数作品を選出している。受賞者のプロフィール・選出作品は以下の通り。なお受賞作品は2024年7月~8月の間に東京ミッドタウンデザインハブで展示を行う予定である。

〈JAGDA賞2024受賞作品〉
ポスター:「第1回 BUG Art Award」(リクルートホールディングス)
菊地敦己氏
武蔵野美術大学彫刻科中退。2000年ブルーマーク設立、2011年解散。同年、個人事務所設立。


ジェネラルグラフィック:「6月のりんご」(ヤエカ)
井上庸子氏
武蔵野美術短期大学専攻科グラフィックデザイン専攻卒業。1987年サン・アド入社 。2000年よりフリーランス。


ロゴ:「LIVVERA」(チキュウ研究所)
植原亮輔氏
多摩美術大学卒。ドラフトを経て2012年に渡邉良重と共にKIGIを設立。


ブック:「TANAAMI!! AKATSUKA!! / That’s All Right!!」(集英社)
柿木原政広氏
ドラフトを経て、10(テン)を設立。


パッケージ:「ふつうのマヨネーズとふつうのケチャップ」(スーパースタジオ)
加藤亮介氏
東京芸術大学大学院修了。日本デザインセンター色部デザイン研究室、原デザイン研究室を経て2018年独立。加藤亮介デザイン事務所として活動後、2021年よりKAAKAを設立。

加藤千洋氏
東京藝術大学美術学部デザイン科大学院修了。2014年株式会社電通入社。


新聞広告:「ユニクロ 母の日・父の日」(ユニクロ)
玉置太一氏
日本大学藝術学部デザイン学科卒業。電通 Future Creative Center所属。


環境・空間:「Make The Future Better Than Today」(ポーランド・ポズナン国立美術館)
原研哉氏
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科教授、日本デザインセンター代表取締役。日本グラフィックデザイナー協会副会長を務める。


デジタルメディア:「脳波書」(博報堂)
坂本俊太氏
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、博報堂入社。現在hakuhodo DXD所属。


映像:「cup / horse / bottle」

岡崎智弘氏
東京造形大学デザイン学科卒業。広告会社、デザイン事務所勤務を経て、2011年9月よりデザインスタジオSWIMMINGを設立。

複合:「KAMIZU」(ヤオヨロズヤ)
北川一成氏
筑波大学卒業。GRAPH取締役社長。


また「第26回亀倉雄策賞」には、アートプロジェクトのデザイン「KAMIZU(かみづ)」を手がけた北川一成氏が選出。「亀倉雄策賞」は、JAGDA初代会長を務め、世界のデザイン界にも影響を与え続けた故・亀倉雄策の業績をたたえ、1999年に創設。毎年『Graphic Design in Japan』出品作品から、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に授与するもの。受賞作品の「KAMIZU」は、八百万の神などをモチーフとした様々なキャラクターによる各種アイテムやイベント展開などを通じて、日本文化の持つ精神性や価値、思想などを広く伝えていくアートプロジェクト。「斬新なプロジェクトを、確固たる信念のもと、デザイナーの力で推し進めている」「独特のデザインで1990年代から後進デザイナーに多くの影響を与えてきた北川氏だが、この仕事でも常識を覆すディレクションと突出した造形力に唸らされた」など、高く評価された。

「第26回亀倉雄策賞展+JAGDA新人賞展2024(仮題)」と題した受賞記念展は、2024年7月22日(月)から8月24日(日)まで東京・銀座のクリエイションギャラリー G8で開催される。新人賞展はその後、国内各地で巡回展が開催される予定だ。