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レポート

60%の大学生がAI活用。暇つぶし利用者も!? 東京広告協会による大学生意識調査

マスナビ編集部

東京広告協会と首都圏5大学(青山学院大学、江戸川大学、駒澤大学、専修大学、千葉商科大学)は12月10日、第30回大学生意識調査プロジェクト(FUTURE2024)の結果を発表した。


FUTUREは、首都圏5大学の広告・マーケティング担当教授(青山学院大学 経営学部 芳賀康浩氏、江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授 井上一郎氏、駒澤大学 経営学部 中野香織氏、専修大学 経営学部 石崎徹氏、千葉商科大学 サービス創造学部 松本大吾氏)のゼミ学生で構成する意識調査グループが実施する「大学生の意識調査」に、東京広告協会が協力するプロジェクトだ。同協会の賛助会員会社の第一線マーケティング・プランナー数名が講師を担当し、テーマ選定から実査、プレス発表までの一連の活動をサポートしている。ゼミ学生にとって、実際のマーケティング・リサーチの手法を学ぶ機会となっている。


今回の調査テーマは、「大学生の情報の利活用」。2024年8月15日から22日に、首都圏の大学生の男女1000人を対象にWebアンケートを実施。デジタルネイティブ世代である現在の大学生が、どのように情報と関わり、発信する際に何を意識しているか、さらに生成AIとどう向き合い、どう活用しているのかについてあらわにした。



主な調査結果は以下の通り。

約60%がAIを利用と回答

現在の大学生に生成AIの利用実態について聞いたところ、「利用している」 が59.0%、「利用していない」が41.0%と回答。AIを活用している学生とまったく利用していない学生の2極化が進んでいると、指導担当教授は指摘する。



日常生活における使用シーンについて問うと、「授業や課題でAIツール」(18.1%)、「レポート作成や研究」(16.9%)、「学習アプリ」(11.8%)と続いた。「音楽・動画配信サービスのレコメンド」や「交通機関のAIナビゲーション」よりも、学習関連の利用率が高く、学生ならではの結果となった。


■AIに対する意識


また生成AI利用経験者に「使い始めた初期」「慣れてきた時」「最近の使い方」で時系列に利用方法について質問したところ、1位「勉強・課題の補助」(36.3%→33.8%→39.5%)、2位「資料・レポート作成」(27.3%→24.7%→27.5%)、3位「暇つぶし」(20.5%→18.8%→15.7%)と順位の変動はないものの、利用率の変化が見られた。最初は「暇つぶし」利用が多いが、使い方がわかり徐々に「課題・レポートの補助」に移っていく様子がうかがえる。一方で、使い慣れたあとでも15.7%が暇つぶし利用しており、同プロジェクトメンバーの周りには、生成AIで「推しアイドル」を生成する学生もいると発表会では紹介された。


■AI利用ジャーニー<生成AI利用経験者ベース>

大学生の好きな広告は2年連続で日清食品「カップヌードル」

同プロジェクトでは毎年、定点観測として「直近1年間の好きな広告」についても調査している。2024年度の首位を獲得したのは2023年度に続き、日清食品の「カップヌードル」のCMだった。そのほか特筆すべきは8位に伊藤園の「おーいお茶」。過去12回の調査も含めて初めてのランクインだ。AIタレントを日本で初めてテレビCMに起用したり、大谷翔平選手をグローバルアンバサダーに起用したりと、話題に事欠かなかった。別の設問で、大学生が選ぶ今年の「日本の顔」で選ばれたのが「大谷翔平選手」。大谷選手の力も借り「おーいお茶」が上位に食い込む結果となった。


■好きな広告


■大学生が選ぶ最近1年間の日本の顔


広告関心における調査では、42.8%が「関心を持って見ない」と回答。前回調査と比較し、6.1ポイント上昇した。


■広告関心度(時系列比較~過去10回調査での動き)


その他、詳細の調査結果は東京広告協会の「大学生意識調査」から閲覧が可能。