RESEARCH業界・職種を学ぶ 就活・自分を知る
レポート
三省堂の新語2024大賞は「言語化」に決定! 自己分析や志望動機に悩むあなたに効く言語化本とは?
マスナビ編集部
コピーライター 佐々木圭一『伝え方が9割』(ダイヤモンド社、2013年3月)
伝え方にまつわるシンプルな技術をまとめた累計発行部数100万部を突破している大ベストセラーです。言葉次第でつかめる結果も変わることがあります。佐々木さんが今まで言葉と向き合い続けてきた経験をもとに、誰でも言葉をつくれるように体系化してあります。基礎は「自分の願い」と「相手のメリット」を一致させること。伝え方の3ステップを踏まえつつ、普段の会話からすぐに取り入れられる技術を説明しているため、初心者でもわかりやすく気軽に試すことができます。
こんな方におすすめ
・はじめの一冊を探している
・コミュニケーションに悩んでいる
・言葉の違いによる伝わり方の違いにピンときていない
・すぐに使える技術を身につけたい
コピーライター 梅田悟司『「言葉にできる」は武器になる』(日本経済新聞出版、2016年8月)
自分の気持ちをいかに正しく言葉にするか、ひいては、いかに正しく考えるか。発行部数35万部を突破した本書は、一生モノの「言葉にできる力」を誰もが手にすることができる方法を体系化して紹介しています。
梅田さんによると、言葉には、通常私たちが言葉として認識している「外に向かう言葉」のほかに、「内なる言葉」が存在しているそうです。「内なる言葉」とは、自分の感情や考えなど頭の中に生まれている言葉のこと。その「内なる言葉」の存在に気付き、磨くことの重要性を本の中で指摘しています。そして、内なる言葉と向き合い、正しく考えを深め、言葉にするプロセスを踏む。日常の中で繰り返し実践することで、自分の言葉を想像していくことにつながります。ぜひ手元において、何度も実践してほしいHow toが書かれた本です。
こんな人におすすめ
・うまく自分の言葉で話すことができない
・人の心に刺さる表現力を身につけたい
・普段から「言葉」についてあまり考えたことがない
コピーライター 荒木俊哉『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』(SBクリエイティブ、2023年4月)
電通のコピーライター/クリエーティブディレクターとして活躍されている荒木俊哉さん。10万部突破のベストセラーであり、日常のほんの少しのトレーニングで「言語化力」を磨く方法が解説されています。
言語化できないのは、頭の中の思いや意見を言葉にできていないことが原因。つまり、言語化力とは「モヤモヤを言葉にする力」と捉えられます。そのうえで、荒木さんは「どう言うか」ではなく「何を言うか」が重要だと気づいたそうです。トレーニングは1回2分、準備するのはA4用紙一枚とペンだけ。毎回1つの問いを用意して、自分の思考を深堀りしていく言語化力トレーニングです。巻末にはトレーニングにも活用できる500問の「問い」も用意されています。毎日少しずつ問いに答えることで、自分の中に「言葉のストック」をつくっていくことができる。いつのまにか、瞬時に言葉がでてくるような状態をつくる方法が学べる本です。
こんな人におすすめ
・頭の中のモヤモヤがなくならない
・自分の考えがうまく言葉にできない
・意見を聞かれたとき、すぐに言葉がでてこない
・自己分析をしていても、うまく深堀りできていない気がする
コピーライター さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社、2024年6月)
「自分の言葉で語りたい」と思っている方におすすめです。インターネットやSNS、生成AIを活用するのが当たり前になった現代では、「自分の思いを言語化する」機会が少なくなってきているのではないでしょうか。そんな現代にこそ、自分の思いを言葉にして伝えるために、まず自分の中に「自分の言葉」を持つことが大切だと伝える本書。
自分が伝えたいことをしっかりと考えてから言葉にする方法や、話がまとまる伝え方の順番などを学ぶことができ、言葉にする習慣が身につく一冊です。
こんな人におすすめ
・自分の考えや思いにじっくりと向き合いたい
・普段から自分の意見を言えていないと感じている
・「自分ならではの意見」を考えたり伝えるのが難しい
・どこからか借りてきた言葉を使ってしまって違和感を持っている
コピーライター 勝浦雅彦『ひと言でまとめる技術』(アスコム、2023年11月)
選考の回数を重ねていくと、話の内容よりも伝え方に意識がいきがちです。面接後に「うまく伝えられなかった」と反省する人も多いと思います。そんな時、一歩立ち止まって考えてほしいのは「伝えたいことがシンプルにまとまっているか」です。伝え方をいくら鍛えても、内容がまとまっていないと相手には伝わらないのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが「捨てる→まとめる→伝える」のたった3ステップで「ひと言でまとめる」ことができる方法が学べる本書です。ひと言でまとめるための技術が多く紹介されているため、自分で「できそう!」と思ったものから取り入れられます。
こんな人におすすめ
・話が長く、まとまらない
・ついつい伝えすぎてしまう
・「結局何が言いたいの?」と言われたことがある
・相手を意識した短い言葉にまとめる方法が知りたい
今回紹介した本以外にも、言語化にまつわる本はたくさん出版されています。皆さんも書店や図書館に立ち寄ったときには、ぜひ自分に合いそうな言語化本を探してみてください!
辞書のトップメーカーである三省堂が「今年の新語2024」を発表しました。応募総数1,813通(そのうち異なりは958語)の中から、今回の大賞に選ばれた言葉は「言語化」です。3位「インプレ(ゾンビ)」、5位「スキマバイト」、6位「メロい」などを押し退けての選出です。
三省堂「今年の新語」は、辞書を編む専門家である選考委員が一語一語厳正に審査したもので、「今年とくに広まったと感じられる新語」かつ「来年以降も使われてゆくであろう日本語」、つまり辞書に載ってもおかしくない新語を選びます。「言語化」はもともと学術用語だったそうですが、2020年代に入ってから新聞などで頻出し日常語となり、言葉の力がますます求められる時代の象徴として、大賞にふさわしいとして選出されたそうです。
そんな「言語化」ですが、実は広告業界で活躍されている方が言語化にまつわる本を多く執筆されているのを知っていますか? 例えば言葉のプロであるコピーライターは、言葉が持つ力を最大限に活かすため、言語化について考え抜いている方が多いです。“伝える”ではなく“伝わる”にはどの言葉がふさわしいか。そもそも何を伝えるべきか。クライアントのモヤモヤした悩みを整理して言葉にして、さらにキャッチコピーを生み出し多くの人の心に印象付ける。このような仕事をするのがコピーライターです。
つまり、広告業界で活躍するには「言語化」が不可欠。そこで今回は、広告業界で活躍しているコピーライターなどが執筆した、言語化や伝え方にまつわる本を紹介します! 広告業界で活躍するための言語化力が身につくだけではなく、就職活動でも役立つ知識が盛りだくさん。「自分のやりたいことがわからず、就活迷子になっている」「エントリーシートや面接で、自分の頭の中の言葉をうまく表すことができない」というような悩みをお持ちの方にも参考になる視点です。