どのような学生生活を過ごしましたか?
高校から陸上競技を始め、大学は陸上部のレベルが高いかどうかを軸に選びました。かなりレベルの高い大学だったので、2年目までは目標タイムを切るまで研修部員として所属しなければならないルールでした。つらい時期もありましたが、なんとか2年目の途中で目標タイムを切り、正式な部員となることができました。その後も引退する4年生の10月まで、陸上一本の日々を過ごしました。
大学の学部もスポーツ関連で、ドーピングについての研究をしていました。陸上競技において、切っても切れない存在なので興味を持っていました。
就職活動はどのような軸で行っていましたか?
いままで関わってこなかった業界やジャンルに関わりたいという思いがありました。陸上をがっつりやっていたので、ほかの分野も見てみたいと感じたからです。就職のタイミングでひとつ区切りをつけ、新しい道を選ぶことを決意しました。
はじめは幅広くさまざまな業界を見ていましたが、その中でも広告に興味を持ったのは、業務の特性上いろいろな業界と関われると知ったからです。
毎日広告社は、実家が毎日新聞を購読していたので親近感が湧き、志望しました。当社の面接は、ほかの企業に比べて面接官が私に向き合ってくれていると感じました。志望動機を聞くのではなく、スポーツの経験を掘り下げながら、「どのようなところが大変だった?」と寄り添った質問を受け、好印象でした。
入社してから現在までの仕事内容を教えてください。
1年目から2年目までは営業として、ラジオ局や新聞社、官公庁の案件を中心に担当しました。官公庁の案件では、とある分野のスペシャリストが集まる業界団体を担当。毎日新聞を活用した記事広告の提案をしました。毎日新聞の担当者と一緒に提案に行き、どんなスケジュールで掲載まで進めるのか考え、取材にも立ち会いました。スケジュールの調整は苦労しましたが、すぐに対応することを心がけました。
3年目にデジタルの部署へ異動になり、主にWeb広告を扱っています。広告を配信するにあたり、どのような媒体に配信するのか? いつ配信するのか? などの戦略を考えるところから、配信後の効果検証まで携わっています。
社内の営業社員から依頼を受ける形のため、営業時代よりも幅広いクライアントの案件に携われるようになりました。また、配信レポートの作成に携わることでクリック率やクリック単価の数値をもとにした仮説が立てられるようになりましたね。
印象に残っている案件はありますか?
シューズメーカーの案件です。学生向けの革靴のプロモーションに携わっています。クライアントはどう広告を届けたら学生に購入してもらえるのか悩んでいました。そこで自分自身が学生と価値観が近いことを活かして、普段どのような価値観を持って靴を選んでいるのか考えました。これまでは商品の着用画像を中心に広告を展開していましたが、「男性は商品のビジュアルに着目するのではないか」と意見を出し、商品を全面に出したクリエイティブを提案し、採用されました。その結果、売り上げが2倍に伸びたとクライアントからフィードバックをいただき、うれしかったです。
クライアントへの提案は営業と一緒に行います。提案に行く前の打ち合わせも営業を交えて行うので、どのような提案がしたいかデジタル担当も意見を出すことができます。提案の際もすべて営業が話すのではなく、「ここはデジタル担当から提案する」というように自分の出した意見はクライアントに直接話すこともありますね。
今後の目標はなんですか?
社会に貢献できる仕事をすることです。広告は、良くも悪くも世の中に影響を与えてしまうものです。近年、さまざまな社会課題がある中で、広告の力を使って社会に気づきを与えたいと思っています。ただ広告を配信するのではなく、広告を通じて良い影響を与えられるような存在になりたいですね。
新聞社の広告はとくに、社会的なメッセージを打ち出すことが多いように感じています。新聞を通じてなにが解決できるのかもこれから考えていきたいです。
最後に、学生へのメッセージをお願いします。
広告業界に入ると、さまざまな企業の良さを知ることができます。たとえばBtoB(企業間取引)の企業はわたしたちが普段関わることがない企業ですが、広告会社として企業のブランドメッセージを伝える仕事などで関わることがあります。私は車の部品メーカーや飲料水を浄化する機械をつくるメーカーの広告に携わりました。携わったことで、「こんな思いでつくられているんだ」と興味が湧きましたね。BtoB企業は、目には映らなくても社会を裏から支えている事業を展開していることも多いです。そのような企業の面白さを知るきっかけを得られたのは、広告会社だからこそだと感じます。