大学時代はどのように過ごしていましたか?
生き物が好きだったので生物資源科学部を選び、生物学をくらしに活かす知恵を学んでいました。また、学園祭で2日間スイーツを販売したときに、初日と2日目で商品の配置やPOPのデザインを変えてみたら売れ方が変わることを実感しました。そのことがきっかけで、マーケティングにも興味を持ちましたね。そこでゼミでは水族館のマーケティングについて研究し、卒業論文では水族館における飲食サービスの新メニュー提案などをまとめました。
また、バイトにも打ち込んでいました。高校生の頃からスーパーのレジ打ちをし、大学ではデパ地下の総菜販売や居酒屋、駅のスイーツショップなどさまざまな場所で働きました。私は自分を漢字一文字で表すなら「話」にするぐらいコミュニケーションが好きなので、接客業を中心に選んでいましたね。
就職活動ではどのような業界を志望していましたか?
最初は、やはり生き物が好きだったので生物に関わる会社を目指していました。水族館や動物園、ペット保険やペットフード関連の企業などを受けましたが、良い結果には結びついていませんでした。そこでエージェントに自分のこれまでの経験を伝えて相談したら、「マーケティング職がいいのでは」とアドバイスをもらいました。そこで自分の志向に気づくことができ、志望業界を変えたのです。その時点で4年生の7月でしたので、もっと早く気づけたら良かったと思いました。
BRINGは小売店の売り場演出や店舗の活性化を行う会社ですが、選んだ理由は3つあります。1つ目は、POPづくりなど学生生活で学んだことを活用できること。2つ目は、実際の売り場で自分の仕事が購買に直結している場面が見られること。そして3つ目は、会社が掲げていた「クライアントの真のパートナーになる」という言葉に共感したことです。クライアントからただ依頼を受けるだけではなく、関係性を築きながら一緒に仕事をしていくスタンスが、コミュニケーション好きの自分に合っていると思いました。
最終面接では、緊張して「失礼します」も言い忘れるくらいでしたが、社長や取締役が私の良さを引き出そうとしてくださり、とても話しやすかったのも印象的でした。
入社後の研修ではどんなことをしましたか?
半年間の研修で小売業界について学びました。毎週スーパーに足を運び、次の日に資料をつくって、「こんな発見がありました」とプレゼンをするのです。最初は「外回りができて楽しい」くらいに思っていましたが、知れば知るほどスーパーごとの特色の違いに気づいて、面白いと感じるようになりました。
たとえばあるスーパーは統一感を重視していて、POPの色も大きさも決まっています。その一方であるスーパーでは、とにかく売り場を明るく目立たせることを重視していました。それぞれの店舗に個性があり、そのお店ごとにブランディングする大切さを学ぶことができました。
また、この研修では提案資料をつくる際のPowerPointの使い方も丁寧に教わりました。大学のゼミでもパワポを学びましたが、見やすさや情報の入れ方などをより詳しくビジネス視点で教わったため、いまでも大変役に立っています。
研修を終え、セールス推進部の2課に配属されました。2課は大手スーパーの本社近くに拠点を構え、そのスーパーに配置する演出物をつくったりプロモーション企画を考えたりと、密接にやり取りする部署です。たとえば衣料品部門から「靴下を売りたい」と相談を受けたら、来店者数を増やすアイデアを考え、最終的なプロモーション物の制作、納品まで一貫して携わります。
最も印象に残っている仕事と大変だった仕事をそれぞれ教えてください。
印象的だったのは、新店の対応をしたことです。商品が並んでいない棚だけの状態から売り場をつくる貴重な経験をしました。売り場コーナーの演出や、棚の案内板、ソーシャルディスタンス用の列をつくる床シートなどあらゆるものを手がけ、店舗が完成したときは、「自分の店だ」と感じるくらいに愛着がわきました(笑)。その後開店してお客さまが喜んでいるところを見たときには、この仕事の社会的意義を感じることができました。
大変だったのは、クリスマスや年末年始の催事が重なる12月の繁忙期です。まだ覚えることがたくさんあるにも関わらず、多くのタスクをこなさなくてはなりませんでした。ただ、そうした経験を経て仕事を覚えたり、作業を効率化できるようになったりしたので、成長できた時期でもあったと思います。
これからの目標を教えてください。
まだ入社して1年ほどしか経過しておらず、一日の仕事をさばくことに精一杯です。今後より効率的に仕事ができるようになれば、さらにクライアントのためになるアイデアを練る時間がつくれます。BRINGは紙媒体だけでなく、SNSやデジタルサイネージなどデジタルの提案も行う会社なので、私もそうした提案を増やして、真のパートナーとしてクライアントに貢献していきたいと思っています。
最後に学生へのメッセージをお願いします。
就活については、私が生物系しか見ずに出遅れた経験があるので、自分に関係がないと思う分野でも視野に入れてみることをおすすめします。興味のない会社を見ることで、意外な志向に気づいたり、逆に興味のある会社になぜ行きたいのか明確になったりもするので、ぜひ多くの会社を見てみてください。
そしてBRINGについては、若くても意見を尊重してくれる会社です。先輩や上司は提案に共感してくれ、さらにその提案を深堀するアドバイスをくれる。自分の思っていることを自由に口にすることが許されて、そこから形にしていこうとサポートしてくれる社風が良いと思っています。コミュニケーションの大切さを教えてくれる会社でもあるので、自分のようにコミュニケーションが好きな方は向いていると思いますね。
※所属・役職は取材当時(2023年4月時点)のものです