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レポート
面接官は注目していない前提で面接に臨むべし ─ 就活を成功させるための心理テクニック 第15回
橋本之克さん
近年大注目の「行動経済学」。不合理な生き物である人間を、心理学と経済学を用いて分析する考え方で、マーケターが消費者インサイト(消費者自身が気づいていない本音や動機)を捉える際にも参考にするメソッドです。就職活動も人の不合理な判断が少なからず起きてしまいます。判断を誤らないように、行動経済学を用いて就活対策をするならば──。
第15回は、「面接官は私の言動に注目しているはずだと思ってしまう」心理について。目の前の就活だけでなく、将来の仕事から実生活にも役に立つ、就活を成功させるための心理テクニックをお伝えしていきます。(マスナビ編集部)
自称中級者が危ない
面接官はあなたが思うほどあなたを見ていない
覚えておくべき第二の法則は「スポットライト効果」です。これは自分自身について、実際以上に他者から注目されていると錯覚してしまう心理です。まるで自分だけにスポットライトが当てられ、そこにいる誰もが自分に注目しているかのように考えてしまいます。
面接の最中に、この心理が働くと危険です。自分の行動に対する自分の認識と、面接官による客観的に評価にギャップが生まれるからです。面接官は1日に何人もの学生の面接を実施します。客観的な視点に立つとあなたはそのなかの一人でしかありません。もしかしたら話疲れて気もそぞろかもしれません。しかしスポットライト効果が働くと、自分のアピールや一挙手一投足を面接官は見てくれていると勘違いしてしまいます。自分のことを素直に話せば、面接官は関心をもってくれ、さらに深堀りしてくれるだろうと。しかし現実は甘くありません。形式的な自己PRやガクチカを話してあっさりした面接で終了してしまう可能性もあります。
自分ではうまく話せていると思っていても、面接官はそう思わないかもしれません。逆にうまく話せていないと自分で感じると、相手がそうは思っていなくても失敗が過剰に気になり、焦ってしまうのです。こうした自意識過剰もスポットライト効果によるものです。
基本的な対策としては……
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第1回「ゼミやサークルを優先して、就活を後回しにしてしまうのはなぜ?」を読む
第14回「時間をかけて考えたESを刷新するのはもったいない?」を読む
第16回「「お祈りメール」にズキンと胸が痛くなったときに読みたい処方箋」を読む
著者プロフィール
マーケティング&ブランディングディレクター/昭和女子大学 現代ビジネス研究所 研究員 橋本之克さん
東京工業大学社会工学科卒業後、読売広告社、日本総合研究所を経て、1998年アサツー ディ・ケイ入社。戦略プランナーとして金融・不動産・環境エネルギー等の多様な業界のクライアント向けに顧客獲得業務を実施。2019年独立。現在は、行動経済学をビジネスに活用する企業向けのコンサルティングや研修講師を行う。また企業や商品に関するブランディング戦略の構築と実施にも携わる。著書に『9割の買い物は不要である 行動経済学でわかる「得する人・損する人」』(秀和システム)、『世界最前線の研究でわかる! スゴい! 行動経済学』(総合法令)ほか。
面接試験はたいへんです。面接準備のために自己分析をするのも初めての人がほとんどでしょう。自分自身を掘り下げる作業を、どのようにどの程度すれば十分なのかもわからないまま、取り組まなければなりません。また過去の行動から自分の長所や欠点を洗い出しても、実際の仕事でどんな働きができるのかわかりません。
自己分析は難しいので、分析が100%ではない状態で、面接に臨むこともありえます。十分にわからない自分自身をアピールすることに、気後れや恥ずかしさを感じてしまう人は多いのではないでしょうか。また面接官に向かって自分を主張することに慣れていない人も多いことでしょう。それにも関わらず、自信があるかのように振る舞わなければなりません。それを不自然でつらいと思う人もいるのではないでしょうか。そのうえ本番では、うまく話さなければとプレッシャーを感じて、緊張してしまうものです。
このように難しい面接試験を乗り切るために、自分自身の心理について知っておくことは有効です。ここでは重要と思われる行動経済学の法則を二つ紹介します。
第一は「ダニング=クルーガー効果」です。これは、能力の低い人が自己を高く評価する傾向です。この影響を受けると、自分の能力が客観的に見て高くないにもかかわらず、自身を過大評価してしまう可能性があります。
この続きは、新刊『なんで?を解き明かす行動経済学が導く 納得就活~就活を成功させるための心理テクニック~』で読むことができます。
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